ふログ

酒クズー酒=酒クズ+酒=クズ

企業内非対称性利用のススメ

MyDecemberの毎週火曜日ライブ期間かつ年度末進行まっただ中な今日この頃、時間が飛ぶように過ぎていきます。あと僕以外の家族がバタバタと風邪にかかっていくので、僕が厄除けを受けさせられました。なんでや?

 

以上の近況はもちろん本題とは全然関係ありません。

 

 


社会人が組織をふんわり渡る方法 - フィのログ

 

↑の続きのような話です。

 

いくつもの部署がある企業の場合、

「ある部署の最重要目標を他の部署は全く知らない」

ということがよくあります。よくあるどころか、僕が経験してきた中では「知っている方がレアケース」と言ってもいいぐらいです。脇目もふらず自部署の目標だけを見つめてまい進する姿には一途さと健気さを感じますが、そこに費やす時間と努力の大部分は報われぬまま(ある意味相応に報いられて)無に帰する所業だと知ってほしい。

 

こういう「お互いのことを良く知らない」という状況は、情報の非対称性を作り出すのに非常に適しています。そして、情報の非対称性を利用すると同じ時間を費やしてもリターンが桁違いに大きくなるので、意識しておいて損はないと思います。

 

【情報の非対称性を作り出す】

情報の非対称性を作り出すにあたって準備するもの。

・部署が異なる専門分野を2つ以上

のみです。僕の場合は「法人営業(SE)」と「研究開発」という2つの部署で社会人キャリアの大半を送ってきました。なので、この2つの部署については専門と言えるレベルには達しています。

 

専門なのでそれぞれの分野の現状や目標、課題、今後求められるであろうことまで大体把握できているでしょうし、「何故色々ある課題がなかなか解決できないか」の理由も分かっているかと思います。そこで両部署の目標や課題、解決できない理由をずらっと横に並べてみましょう。たぶん幾つかは「あれ?これとこれを組み合わせればいけるんじゃ?」ということが見つかるかと思います。

 

【情報の非対称性を利用する】

 

「利用する」と簡単に言いましたが、本当に簡単です。

 

(例)

法人営業で「これからはクラウドだ、どんどん売っていけ!」という目標が立っているとしましょう。その目標に向かって、単純にお客様環境をクラウドに置き換える提案しても、よほどの幸運がない限り一気にリプレースとはいきません。スモールスタートでも導入してくれればまだいい方で、「話としてはいいんだけど実績がなぁ」「セキュリティがなぁ」「実際に変わった時の従業員の反応がなぁ」みたいな感じで、時間がかかっている間に他の案件が動き始めて優秀な営業・SEが対応し続けられなくなり自然消滅、というパターンも多いと思います。

 

しかし、クラウド向けの技術はまだまだ研究開発も進められているところです。上のような事例に研究開発部門の新技術を用いたシステムをフィールドテストの名目で導入することができればどうでしょうか?フィールドテストだから機器購入・開発・運用含めて研究開発部門の全面バックアップも得られるでしょう。

 

往々にして、研究開発部門の一番のネックは「開発した技術が実利用に耐えられるかどうかの担保をどうとるか」です。口では「この新技術は最高です、この技術があれば運用コストが○○%下がります」とは言えても、「その根拠は?実際に試してみたのか?」と言われると「…」となってしまう光景を僕自身もよく見てきました。

 

こういう「どちらにとっても良い結果を生み出しそうなのに、個々の部署で閉じて考えているからたどり着けないところ」が利用できるポイントです。

 

【非対称性を利用することによるジャンプアップ】

 

対称性の利用は思わぬジャンプアップを生み出すこともあります。

 

(例)

重要なお客様に向けたサービス・製品の展示会は法人営業部門にとっての一大イベントです。経営層からもとても注目されますし、そこに出品されるサービス=今後重点的に売られるサービスなので、その選抜も非常に厳しいものになります。

 

しかし、こういう展示会では現在提供できるサービスだけでなく、明るい未来を感じさせるサービス(未満の技術でも可)も展示して、お客様へ企業の将来性もアピールしていかないといけないのですが、すぐに売れるものでもないので法人営業としては扱ってなくて、結果とても手薄なのです。そこに研究開発部門の新技術を出展しますよ、と働きかければ?企業内の法人営業部署全体が鎬を削って根を詰めてようやく立てる場に、+αのパワーをほとんどかけることなくポンと立つことができるのです。

 

同じレベルのアウトプットを研究開発部門の中だけで出そうすると、どれだけの労力がかかることか…。

 

【まとめ】

 

・2つ以上の専門分野を持つ

・それぞれの分野の目標、課題、課題が解決できない理由を出して、並べる

・目標に合っててかつ組み合わせることで解決できる課題を見つける

・組み合わせてGO!

・それを進める過程で社会人として美味しい+αも色々ありまっせ

・でも、そんな非対称性が存在する企業でいつまで働くかは考えた方がいいよ